散水装置による工場冷却の事例(埼玉県川口市)

冷房の効きが悪い?

従業員の方
工場内が暑くて仕方ないのですよ。クーラーが壊れているかもしれないと思って、業者に見てもらったのですが問題がないようです。一体どうしたら良いのでしょうか?

社長
恐らく、日光によって屋根や壁面が加熱され、その熱が工場内に伝わっていることが原因だと思います。屋根や壁自体の冷却を考えてみましょうか。

当事例では、太陽光による室内の温度上昇を防ぐために、散水装置を使って屋根や壁を冷却することになりました。利用したのはViuと呼ばれる特許も取得している散水装置です。散水装置で屋根に水をまくことで打ち水効果を利用して、対象区域を冷却するという技術で、日本サッカー協会公認ピッチである「押原公園人工芝グラウンド」の温度低減にも利用されています。

このグラウンドにおける実証実験では、散水スタート時には62度だった表面温度が、散水5分後には38度にまで下がることが確認できています。

今事例ではこの装置を利用して、工場の温度を大きく下げることに成功しました。

まずは、このように屋根全体に配管を行います。

この散水装置で水道水を散水することで、気化熱を利用し、屋根を冷やしています。

社長
実際に利用してみていかがでしょうか?

従業員の方
工場内の暑さが和らぎ、クーラーの効き目が良くなったような気がします。

導入コストやランニングコストの問題は?

工場の面積などによってもコストが異なりますので、今回は一般論としてお話致します。

導入コストですが、バルブだけなら1個あたり1万円程度であり、3メートルごとに1つのバルブが必要になります。また、これに加えて配管費用が掛かることになります。

従って、大まかにみて数十万円程度の導入コストがかかることになります。逆にこの程度で設備が設置できることになりますので、導入コストとしては非常に低い部類に入るかと思われます。

また、ランニングコストですが、水道代やメンテナンスコストが必要となります。

水道代については、一カ月あたり1.9t、約460円/バルブ程度ですので、面積によっては冷房装置を使うよりも安くなります。

更に水道を使わずに、雨水をタンクに貯めて利用した場合は水道代は無料となり、ポンプが使う若干の電気代と、年間のメンテナンスコストがかかることになります。